ぽよの備忘録

本の紹介など雑記帳

理想の

 私は患者に「診てもらえて良かった」と思ってもらえる医師になりたい。母から、私が生まれたときにお世話になった先生の話を度々聞いているうちにそう思うようになった。私の親戚に医師はおらず、私自身も身近な周りの人も大きな病気になったことはない。家族や身の回りの話を聞いた経験から、ほとんどの健康な人にとっては病院は困ったときや子供を持つ際にかかる場所で、普段はそれほど縁がない場所だと思っている。だからこそ、患者にとって病院に行って医師にかかる機会というのは人生において後々印象に残る、大切な場面であると考えている。そして、その時の医師の印象というのは、「あの時診てもらった医師はこうだった」というようにその後の人生において医療への見方を左右するという意味で、人生に大きくかかわるものであると考える。私にとって目標とする医師は、後々においても診てもらえて良かったと思ってもらえる、満足感を与えることができる医師である。

 そのような医師になるためには、目の前の患者さんを大切にする姿勢が何より大事だと考える。なぜなら、私がそのような医師を目指すきっかけとなった、私が生まれたときにお世話になった産婦人科の先生は、毎朝体調いかがですかと様子を見に来てくれた姿勢が良かったのだと母から話を聞いているうちに考えるようになったからだ。そして、私が目標とする医師像に近づくためには初期研修において幅広い診療科でたくさんの先生や患者さんに出会う中でそれぞれの人との出会いを大切にしていくことが必要だと考えている。チーム医療や協調性が今日非常に重要視されているが、それは私にとっては目の前の人を大切に思う気持ちが基本になっていると思っている。自分のことで頭がいっぱいにならないよう、周りの人のために何ができるか考えることが大切だ。具体的には、たとえ自分が忙しくて大変な状況であったとしてもいつも気持ちの良い挨拶をできる人間でありたい。大学時代に出会った友人や先生で気持ちのいい挨拶をしてもらえると元気をもらえると感じた経験から、実際に大学の実習中は特に私はそれを実践できるよう心掛けてきた。そして、優しく親しみやすい研修医として積極的に現場に足を運ぶことで現場に求められていることを把握し、それに応えられるよう、尽力していきたい。