ぽよの備忘録

本の紹介など雑記帳

社会福祉についてどう考えるか

 社会福祉は様々な面から私たちの生活のセーフティーネットとして暮らしを支えてくれている。しかし現在、少子高齢化に伴い、財源確保が困難であるといわれており、このままでは、やがて社会福祉を今のように維持することが難しくなってしまう。実際、医療現場において診療報酬は削減されてきている。そのような中、来年から医療現場で働く医師として、この問題に対して私は次の二つを心掛けたい。診療報酬をはじめ医療費についてより理解を深めること、その一方で気持ちの伝わる医療を心掛けることを念頭に置くという事だ。

 第一に診療報酬のことへの理解が私はまだまだ不足していると感じている。外病院実習で、傷の大きさや処置の内容によって項目ごとに整理されている診療報酬の仕組みや、使う器具によっては処置に使うと赤字になってしまうという事を知り、理想だけではやっていけない医療現場の現状を学んだ。そうした事を学び、利益を追求することは臨床の現場で働いていくうえで必要不可欠である。

 しかし、その一方で本来の目的である患者さんに最良の医療を行うことを必ず忘れないようにしたい。外病院実習での皮膚科の見学では、高齢の男性患者が若い女医に向かって「専門医でもない若い先生にわかるもんか」と大きな声を出していた。しかし、その後女医先生が患者さんの足の爪を切る処置をしているうちに、「ありがとなあ、ありがとなあ」と感謝の声をかけていた。足の爪を切る処置は先生にとっては手間のかかる割に報酬としては少ないものである。しかし、この様子を見学して私は患者さんの医療現場への満足度というのは医師が患者へ心のこもった医療を提供する中でこそ高まると考えた。

 以上より、社会福祉について私は現状への理解を深めることと同時に医療の目的である患者さんに満足してもらえる医療を提供することを大切にしたい。その結果、必要な人へ適切に支援が届く社会福祉を守りたいと考えている。