ぽよの備忘録

本の紹介など雑記帳

医療偏在による地域医療崩壊の対策について論考せよ

 今、都市部に医師が偏在し地方の医師が不足することで医療崩壊の危機が叫ばれている。都市部に人口が集中することは医師に限った話ではなく、働く人が都市部に集中することは日本全体の問題である。しかしその一方で地方においては人口流出や少子高齢化により働く人の人数が減少し、十分な医療を提供できない体制や少数の医療従事者への負担が重くなることが問題となっている。

 これに対する対策として、私は既存の働き方にこだわらず、様々な試みを取り入れていく必要があると考える。具体的には次の二つを推進していくべきである。一つ目は、働き方改革に伴いチーム医療をさらに推進していくこと、二つ目はオンライン診療など新しい取り組みを取り入れていくことである。

 働き方改革では、少子高齢化により多様な働き方が求められている中、今までのように一人の主治医による診察ではなく複数主治医制にすることが対策の一つとして推奨されている。そうすることでシフト制の働き方が可能になり、医師の長時間労働を防ぐことができる。そのため、地域医療において現場の負担を減らすために有用であると考える。実際に、私が実習させていただいた地域の産婦人科では、複数主治医制を取り入れており、30週を過ぎた妊婦さんを複数の医師の外来で診察していた。患者側としても、病院の産婦人科医全員でバックアップしているという体制に安心感を持っているように感じた。

 二つ目のリモート医療については、コロナ下で導入されつつあり、これがさらに普及すれば地方において病院から離れた場所に住んでいる人にも医療を提供できるようになると考える。もちろん、人と人との関係で成り立つ医療において万能ではないかもしれないが、病状が安定している慢性期の患者さんへの薬物治療においてオンライン診療は病院へ通うという患者さんの負担も少なく、まさに今推進していくべきものであろう。