ぽよの備忘録

本の紹介など雑記帳

家族から「精神的に弱いところがあるから本人に病状説明しないで」と言われた患者にどのように対処

 現状として、追加治療が必要な患者さんに対して、家族の反対がある中、説明をして患者さんに判断してもらう必要がある

 

①家族になぜ「精神的に弱い」というのか尋ねる

本当にそうだろうか?精神が弱いとは?

精神が弱い、気が弱い、だから知らなくていいのか?信憑性は?

仮に精神が弱いとして、このままだとこういう心配がある。それでも後悔しないだろうか?

目標は、患者さん自身が悔いのない人生を送ること、出来れば医療者として最善の治療を行いたい

→目標が一致することを確認

 

②患者さんに対して

患者さんには知る権利と知らない権利がある

精神が弱い、とはもしかするとマイナス思考という事かもしれない:この治療を行うことでこんな希望がある、という未来のプラス思考を

癌=死ぬという風に真実が正しく伝わっているのか

→直接会話をする、未来の目標を立てて一緒にそれに向かって頑張りましょう、という

 

③仮に知りたくない、治療もしたくないとしたら?

どうしようね、患者さんの最善を求めるという視点から

患者さんが決めるべきである

医療者としてはこれからこうなるであろうという予想、どこまで知りたくない?

何が一番いや?一番いやなことは身体的な苦痛ではないのか

患者さんの意思を最大限尊重する気持ち、

→需要する姿勢を示す、一方で病院として治療を望まないならその後の方針

 

 

 

 

子供の貧困化 これについて具体的な策

 子供の貧困化による一番の問題は、生活に余裕がないことや医療費がかかることを恐れることで病気のある子どもの早期発見・早期治療ができないことだと考える。これを防ぐため、来年から医療現場で働く研修医として、次の二点を行いたい。一つは患者さんと信頼関係を築き、全人的に理解を深めること、二つ目は適切な情報を伝え、患者さんの心配をなくすことである。

 まず、医療現場において患者さんを前にしたとき、患者さんの病気についてだけでなく、表情や振る舞いに注意を払い、生活背景を含めてとらえるようにしたい。しかし、患者さんの家庭の経済環境といった個人的な問題は踏み入った質問であり、信頼関係を築けていない段階で聞くことは難しい。大学の実習の産婦人科の妊婦検診の外来見学では、先生が診察で患者さんにエコーを当てながら「可愛いですね」と声をかけ患者さんがリラックスしてきた後で上の子供の様子や同居している家族について質問していた。この経験を通して、医師側が心を開いて気さくに患者さんに話しかけることで信頼関係を築くことが出来るといったことや、問診だけでなく診察の場を通して質問することでより患者さんの生活背景まで心を配れるようという事を学んだ。

 そのように、信頼関係を築いたうえで子供の貧困による問題を抱える家庭を見つけたら、社会福祉の支援制度や、病気を持つ患者さんならその後の見通しを適切に伝えることで者さんの不安を和らげたい。医師として、患者さんの抱える問題を解決するためには医学的なことだけでなく、福祉制度を含めて幅広く興味をもって知見を広げることで多角的な視点から患者さんを救うことが出来るように思う。

 以上のように、子供の貧困化という問題に対し、全人的な医療を行うためには目の前の患者さんと信頼関係を築き、日頃から幅広い分野に興味を持つことが対策となると考える。

インフォームドコンセントについて考えを述べよ

 インフォームドコンセントとはすべての医療行為で患者さんが医療者から十分な説明を受け、理解したうえで同意して最終的な治療方針を選択していくことである。日々の誠実なコミュニケーションの積み重ねを通して成り立つものであり、患者と医療者がともに納得できる医療内容を形成するプロセスでもある。医療におけるインフォームドコンセントは、患者の人権を守ること以外に対話による医師と患者間の信頼関係の確立といった利点があり、広く社会で容認されてきた。しかし、インフォームドコンセントは意識のない患者や幼少児などでは成立せず、一般の患者でも医学の専門的な説明を完全に理解できるのかといった問題がある。同意能力、必要とされる説明の詳細さ、同意意思の表示が可能か、などすべて同じと考えることはできない。

 このような問題がある中、インフォームドコンセントを実現していくためにますます医療現場におけるコミュニケーション能力の重要性が増していると考える。コミュニケーションをとり、患者本人だけでなく親族や、患者を取り巻く複数の医療従事者で対応を協議することでより患者さんの意思に沿った医療を行うことが可能になるからだ。

 来年から医療現場で働く身として、私は協調性と、相手への理解を深めることを大切にしたい。

 私が考える協調性の一番基本であり大切なことは、自分自身の人格を磨くことである。たとえ自分が忙しかったり大変な時であっても、周りの人に心を配り、笑顔で基本的な挨拶やたわいもない会話を大切にしていきたい。大学の実習でお世話になった先生は私の目標とする先生で、外来が押しているときでも周囲の人へほがらかな笑みで接しており、患者さんはもちろん学生や看護師など周囲の人からの人望が厚かった。そのような協調性のある人には話しかけやすいため、なんでも相談しやすく、良好なコミュニケーションをとることが出来ると考える。まだまだ未熟で経験が浅い私であるが、明るい表情や挨拶、感じがいい人間であるための心掛けは今からでもできることであり、実際にそれを実行している。そのようにして研修に励み、さらに実臨床現場で経験を重ねることでコミュニケーション能力を身に着けていくことができ、インフォームドコンセントを実現できると考えている。

 さらに、相手へ興味を持つことで、相手の状態や立場を理解することが出来る。そして、コミュニケーションをとるためには、相手を理解したうえで自分の意見を述べることが大切であると考えている。その結果が、相手が理解できる平易な表現であったり理解を促す図や資料を用いることにつながる。説明内容への理解度について注意を払い、患者とともに治療方針を決めていくという目的を念頭に置き、会話に努めたい。

 このように、インフォームドコンセントを医療現場で実現し、さらにそれが困難な場合でも実現するためにはコミュニケーション能力が重要であり、そのために私自身ができる協調性、相手への配慮といったことを実行することでより良い医療を実現したい。

医療偏在による地域医療崩壊の対策について論考せよ

 今、都市部に医師が偏在し地方の医師が不足することで医療崩壊の危機が叫ばれている。都市部に人口が集中することは医師に限った話ではなく、働く人が都市部に集中することは日本全体の問題である。しかしその一方で地方においては人口流出や少子高齢化により働く人の人数が減少し、十分な医療を提供できない体制や少数の医療従事者への負担が重くなることが問題となっている。

 これに対する対策として、私は既存の働き方にこだわらず、様々な試みを取り入れていく必要があると考える。具体的には次の二つを推進していくべきである。一つ目は、働き方改革に伴いチーム医療をさらに推進していくこと、二つ目はオンライン診療など新しい取り組みを取り入れていくことである。

 働き方改革では、少子高齢化により多様な働き方が求められている中、今までのように一人の主治医による診察ではなく複数主治医制にすることが対策の一つとして推奨されている。そうすることでシフト制の働き方が可能になり、医師の長時間労働を防ぐことができる。そのため、地域医療において現場の負担を減らすために有用であると考える。実際に、私が実習させていただいた地域の産婦人科では、複数主治医制を取り入れており、30週を過ぎた妊婦さんを複数の医師の外来で診察していた。患者側としても、病院の産婦人科医全員でバックアップしているという体制に安心感を持っているように感じた。

 二つ目のリモート医療については、コロナ下で導入されつつあり、これがさらに普及すれば地方において病院から離れた場所に住んでいる人にも医療を提供できるようになると考える。もちろん、人と人との関係で成り立つ医療において万能ではないかもしれないが、病状が安定している慢性期の患者さんへの薬物治療においてオンライン診療は病院へ通うという患者さんの負担も少なく、まさに今推進していくべきものであろう。

 

働き方改革についてどう思うか

 少子高齢化が進む中、働く方一人一人がより良い将来の展望を持てるよう働き方改革が進められている。昔と違って共働きも多く、育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化の状況に直面しているからだ。救急対応や外来対応の延長、主治医がいることが求められる医療現場においても、働き方改革の必要性が高まっている。勤務時間が長くなると医療事故やヒヤリハットが多くなる事実からも、医師の適切な勤務体制を考えることが必要だ。

 しかし、人対人の医療現場で時短・効率重視で本当にいいのだろうか。実習で出会った先生は、外来の時間が押していても一人一人懇切丁寧に対応されており、そのような姿勢から診察において患者さんの満足感が高く、人気があった。また、医師は好きでなった職業であり、各個人で働き方を変えたくないと思う人もいると思う。

 私は、このような状況の中、ますますチーム医療の重要性が高まっていると考ええる。主治医性からチーム制や複数主治医制にすることでシフト制や変形労働時間制といった働き方ができるからだ。すべてを負って立つという思考でなくチーム医療をすることでより様々な視点から患者さんをとらえることが出来、患者さんにより良い医療を提供できるようになる。実際に私が実習させていただいた地域の産婦人科では複数主治医制を取り入れており、30週を過ぎた妊婦さんを複数の医師の外来で診察されていた。患者さんにとっても、そのように病院の産婦人科全員でバックアップしてくれるという対応に安心感を抱いているようだった。

 そのようにチーム医療を行う上ではよりスタッフの間に互いを気遣う姿勢や助け合いの精神が求められる。医師として人格を磨く必要性はここにもあると考える。御院で研修させていただくうえで、このようにチーム医療の重要性が将来さらに高まってくる現状を念頭に置き、日頃から良い関係を築いていけるよう常に心掛けていきたい。

社会福祉についてどう考えるか

 社会福祉は様々な面から私たちの生活のセーフティーネットとして暮らしを支えてくれている。しかし現在、少子高齢化に伴い、財源確保が困難であるといわれており、このままでは、やがて社会福祉を今のように維持することが難しくなってしまう。実際、医療現場において診療報酬は削減されてきている。そのような中、来年から医療現場で働く医師として、この問題に対して私は次の二つを心掛けたい。診療報酬をはじめ医療費についてより理解を深めること、その一方で気持ちの伝わる医療を心掛けることを念頭に置くという事だ。

 第一に診療報酬のことへの理解が私はまだまだ不足していると感じている。外病院実習で、傷の大きさや処置の内容によって項目ごとに整理されている診療報酬の仕組みや、使う器具によっては処置に使うと赤字になってしまうという事を知り、理想だけではやっていけない医療現場の現状を学んだ。そうした事を学び、利益を追求することは臨床の現場で働いていくうえで必要不可欠である。

 しかし、その一方で本来の目的である患者さんに最良の医療を行うことを必ず忘れないようにしたい。外病院実習での皮膚科の見学では、高齢の男性患者が若い女医に向かって「専門医でもない若い先生にわかるもんか」と大きな声を出していた。しかし、その後女医先生が患者さんの足の爪を切る処置をしているうちに、「ありがとなあ、ありがとなあ」と感謝の声をかけていた。足の爪を切る処置は先生にとっては手間のかかる割に報酬としては少ないものである。しかし、この様子を見学して私は患者さんの医療現場への満足度というのは医師が患者へ心のこもった医療を提供する中でこそ高まると考えた。

 以上より、社会福祉について私は現状への理解を深めることと同時に医療の目的である患者さんに満足してもらえる医療を提供することを大切にしたい。その結果、必要な人へ適切に支援が届く社会福祉を守りたいと考えている。

理想の

 私は患者に「診てもらえて良かった」と思ってもらえる医師になりたい。母から、私が生まれたときにお世話になった先生の話を度々聞いているうちにそう思うようになった。私の親戚に医師はおらず、私自身も身近な周りの人も大きな病気になったことはない。家族や身の回りの話を聞いた経験から、ほとんどの健康な人にとっては病院は困ったときや子供を持つ際にかかる場所で、普段はそれほど縁がない場所だと思っている。だからこそ、患者にとって病院に行って医師にかかる機会というのは人生において後々印象に残る、大切な場面であると考えている。そして、その時の医師の印象というのは、「あの時診てもらった医師はこうだった」というようにその後の人生において医療への見方を左右するという意味で、人生に大きくかかわるものであると考える。私にとって目標とする医師は、後々においても診てもらえて良かったと思ってもらえる、満足感を与えることができる医師である。

 そのような医師になるためには、目の前の患者さんを大切にする姿勢が何より大事だと考える。なぜなら、私がそのような医師を目指すきっかけとなった、私が生まれたときにお世話になった産婦人科の先生は、毎朝体調いかがですかと様子を見に来てくれた姿勢が良かったのだと母から話を聞いているうちに考えるようになったからだ。そして、私が目標とする医師像に近づくためには初期研修において幅広い診療科でたくさんの先生や患者さんに出会う中でそれぞれの人との出会いを大切にしていくことが必要だと考えている。チーム医療や協調性が今日非常に重要視されているが、それは私にとっては目の前の人を大切に思う気持ちが基本になっていると思っている。自分のことで頭がいっぱいにならないよう、周りの人のために何ができるか考えることが大切だ。具体的には、たとえ自分が忙しくて大変な状況であったとしてもいつも気持ちの良い挨拶をできる人間でありたい。大学時代に出会った友人や先生で気持ちのいい挨拶をしてもらえると元気をもらえると感じた経験から、実際に大学の実習中は特に私はそれを実践できるよう心掛けてきた。そして、優しく親しみやすい研修医として積極的に現場に足を運ぶことで現場に求められていることを把握し、それに応えられるよう、尽力していきたい。